Difference between revisions of "IDE Window: Make ResourceString/ja"

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{{IDE Window: Make ResourceString}}
 
{{IDE Window: Make ResourceString}}
  
ここでは、ある文字列定数をリソース文字列に変換する方法を説明します。
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'''リソース文字列作成''' ツールは、ある文字列定数をリソース文字列に変換する手助けをします。
  
まず、変換したい文字列定数の一部を選択するか、その上にカーソルを移動してください。次に、'''ツール -> リソース文字列作成''' を選んでください。
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== リソース文字列への変換例 ==
  
ここでは、文字列定数を 'Some text' として説明します。
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=== 例 1: フォームのcaptionをリソース文字列とする ===
  
== 変換オプション ==
+
resourcestring セクションを宣言部に追加します。例えば 'implementation' のすぐ上のあたりに以下を追加してみましょう。(ここでは、文字列定数を 'Some text' とします。)
  
=== 識別子の接頭辞 ===
+
resourcestring
 +
  rsSomeText = 'Some text';
  
新しい識別子が自動的に作成されます。その新しい識別子は接頭辞(prefix)から始まり、文字列定数の単語が続きます。もし同じ値のリソース文字列が既にある場合、その古い識別子が提案されます。
+
FormCreateイベントを生成し、次の行を追加して下さい:
IDEはユニット毎の接頭辞を記憶するため、現在のユニットで最後に用いられた接頭辞が始めに選択されます。
+
 
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Caption:='An example caption';
  
=== 識別子の長さ ===
+
文字列 'An example caption' をリソース文字列に変換します。 変換したい文字列定数の一部を選択するか、その上(つまり2つの 'の間のどこか)にカーソルを移動してください。 次に、'''ツール -> リソース文字列作成''' を実行してください。
  
これは自動的に作成された識別子の最大長です。
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ダイアログが表示されます。 識別子の接頭辞が 'rs' となっていることを確認してください。
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自動的に、新しい識別子 'rsAnExampleCaption' が提案されます。
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プレビューでは次のように表示されます。
  
=== カスタム識別子 ===
+
  Caption:=rsAnExampleCaption;
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-----------------------------------------------------------
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rsAnExampleCaption = 'An example caption' 
  
自動的に作成された 識別子を用いる代わりに、ここにあなた自身が識別子を設定することができます。
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'OK' をクリックすることで、文字列 'An example caption' がリソース文字列 'rsAnExampleCaption' に置き換わります。
  
=== リソース文字列セクション ===
+
リソース文字列作成後は、[Getting_translation_strings_right/ja#IDE内の リソース文字列|IDE内のリソース文字列] などを参考に、簡単な翻訳への手段を実行できます。
  
このコンボボックスはスコープ内の全てのユニットで使用できる全てのリソース文字列セクションを含んでいます。これは現在のユニットの全てのセクションに加え、用いられているユニットの宣言部にある全てのセクションを加えたものです。
+
=== 例 2 : 複雑な文字列定数 ===
  
=== 同じ値の文字列 ===
+
変数や関数からなる複雑な文字列式の変換には、'''Format''' 関数が使用されます。 例えば、
  
このコンボボックスは新しいリソース文字列と同じ値を持つ全てのリソース文字列識別子を並べています。それらの一つを用いたい場合にここで選択できます。
+
Caption:='Left='+IntToStr(Left)+' Top='+IntToStr(Top);
  
=== リソース文字列セクションのどこに新しい識別子を置けばよいか ===
+
を 例 1 同様に FormCreate イベントに追加し、 'Left から Top); の間にカーソルを置いて、'''ツール -> リソース文字列作成''' を実行してください。
 +
ソースプレビューでは、次の表示となり、
  
新しい識別子が作成された場合に、 リソース文字列セクションのどこにそれを置けばよいかを設定します。
+
Caption:=Format(rsLeftTop, [IntToStr(Left), IntToStr(Top)]);
  
* セクションに追加 - 新しい識別子はセクションの末尾に置かれます。
+
新しいリソース文字列は
* アルファベット順に挿入 - 識別子をアルファベット順に挿入します。
 
* 状況感知的に挿入 - 現在のコードの前後でリソース文字列識別子を探索します。もし見つけたら新しい識別子はそこに追加されます。なければセクションの末尾に置かれます。
 
  
== ソース内の文字列定数 ==
+
rsLeftTop = 'Left=%s Top=%s'     
  
これは古いソースコードもしくは現在のソースコードを示しています。
+
となります。
 +
このFormat関数はSysUtilsユニットで定義されています。ユニットのuses節にまだSysUtilsが含まれていない場合は追加して下さい。
  
== ソースのプレビュー ==
 
  
これは文字列定数がどのように再配置されるかのプレビューで、破線がその下に引かれ、そのリソース文字列がどのように見えるかを示します。
+
== リソース文字列作成の変換オプション ==
  
== ==
+
=== カスタム識別子 ===
  
=== 例 1: フォームのcaptionの設定 ===
+
識別子を自動作成する代わりに、手動で作成できます。
  
resourcestringセクションがまだなければ宣言部に追加して下さい。例えば'implementation'キーワードのすぐ上のあたりに:
+
=== 識別子の接頭語 ===
 +
新しい識別子を自動的に作成する場合、新しい識別子は接頭語+文字列定数の形になります。同じ値のリソース文字列が存在する場合、古い識別子が提案されます。(訳注:意味不明。SomeTextを2回作ってみると、2回目はreSomeText2が提案された。)
 +
IDEはユニット毎の接頭語を記憶するため、現在のユニットで最後に用いられた接頭語が始めに選択されます。
  
  resourcestring
+
=== 識別子の長さ ===
    rsSomeText = 'Some text';
+
自動的に作成される識別子の最大長です。
  
FormCreateイベントに次の行を追加して下さい:
+
=== リソース文字列セクション ===
 
+
このコンボボックスは、スコープ内の全てのユニットで使用できる全てのリソース文字列セクションを含んでいます。 つまり、現在のユニットの全てのセクションに、用いられているユニットの宣言部にある全てのセクションを加えたものということです。
  Caption:='An example caption';
 
  
カーソルをその文字列定数の上、つまり2つの 'の間のどこかに置き、ツール → リソース文字列作成
+
=== 同じ値の文字列 ===
 +
このコンボボックスは、新しいリソース文字列と同じ値を持つ全てのリソース文字列識別子を表示します。それらの一つを用いたい場合に、ここで選択できます。
  
その識別子の接頭辞に'rs'を('なしで)置きます。
+
=== リソース文字列セクションへの追加位置 ===
新しく自動的に提案される識別子は'rsAnExampleCaption'になります。
+
作成した新しい識別子を、リソース文字列セクションのどこに挿入するかを設定します。
プレビューでは次のように表示されます。
 
    Caption:=rsAnExampleCaption;
 
  --------------------------------------------------------------------------------
 
  rsAnExampleCaption = 'An example caption' 
 
  
OKをクリックしてください。
+
* セクションに追加 - 新しい識別子をセクションの末尾に追加します。
 +
* アルファベット順に挿入 - 新しい識別子をアルファベット順となるように挿入します。
 +
* 状況感知的に挿入 - 現在のコード位置の前後でリソース文字列識別子を探します。見つけたら新しい識別子はそこに挿入され、見つからなければセクションの末尾に追加されます。
  
=== 例 2 : 複雑な文字列定数 ===
+
== ソースプレビュー ==
 +
破線の上側に、変換後に文字列定数がどう置き換わるかを示します。 破線の下側に、リソース文字列を示します。
  
変数や関数をもつ複雑な文字列式を変換する場合、このツールは'''Format'''関数を用います。例えば次の文:
+
== ソース内の文字列定数 ==
  Caption:='Left='+IntToStr(Left)+' Top='+IntToStr(Top);
+
現在の(変換前の)ソースコードを示します。
は次の文に置き換わります。
 
  Caption:=Format(rsLeftTop, [IntToStr(Left), IntToStr(Top)]);
 
そして新しいリソース文字列は
 
  rsLeftTop = 'Left=%s Top=%s'     
 
となります。
 
このFormat関数はSysUtilsユニットで定義されています。ユニットのuses節にまだSysUtilsが含まれていない場合は追加して下さい。
 

Revision as of 09:08, 2 February 2009

Deutsch (de) English (en) français (fr) 日本語 (ja)

リソース文字列作成 ツールは、ある文字列定数をリソース文字列に変換する手助けをします。

リソース文字列への変換例

例 1: フォームのcaptionをリソース文字列とする

resourcestring セクションを宣言部に追加します。例えば 'implementation' のすぐ上のあたりに以下を追加してみましょう。(ここでは、文字列定数を 'Some text' とします。)

resourcestring
 rsSomeText = 'Some text';

FormCreateイベントを生成し、次の行を追加して下さい:

Caption:='An example caption';

文字列 'An example caption' をリソース文字列に変換します。 変換したい文字列定数の一部を選択するか、その上(つまり2つの 'の間のどこか)にカーソルを移動してください。 次に、ツール -> リソース文字列作成 を実行してください。

ダイアログが表示されます。 識別子の接頭辞が 'rs' となっていることを確認してください。 自動的に、新しい識別子 'rsAnExampleCaption' が提案されます。 プレビューでは次のように表示されます。

  Caption:=rsAnExampleCaption;
-----------------------------------------------------------
rsAnExampleCaption = 'An example caption'   

'OK' をクリックすることで、文字列 'An example caption' がリソース文字列 'rsAnExampleCaption' に置き換わります。

リソース文字列作成後は、[Getting_translation_strings_right/ja#IDE内の リソース文字列|IDE内のリソース文字列] などを参考に、簡単な翻訳への手段を実行できます。

例 2 : 複雑な文字列定数

変数や関数からなる複雑な文字列式の変換には、Format 関数が使用されます。 例えば、

Caption:='Left='+IntToStr(Left)+' Top='+IntToStr(Top);

を 例 1 同様に FormCreate イベントに追加し、 'Left から Top); の間にカーソルを置いて、ツール -> リソース文字列作成 を実行してください。 ソースプレビューでは、次の表示となり、

Caption:=Format(rsLeftTop, [IntToStr(Left), IntToStr(Top)]);

新しいリソース文字列は

rsLeftTop = 'Left=%s Top=%s'      

となります。 このFormat関数はSysUtilsユニットで定義されています。ユニットのuses節にまだSysUtilsが含まれていない場合は追加して下さい。


リソース文字列作成の変換オプション

カスタム識別子

識別子を自動作成する代わりに、手動で作成できます。

識別子の接頭語

新しい識別子を自動的に作成する場合、新しい識別子は接頭語+文字列定数の形になります。同じ値のリソース文字列が存在する場合、古い識別子が提案されます。(訳注:意味不明。SomeTextを2回作ってみると、2回目はreSomeText2が提案された。) IDEはユニット毎の接頭語を記憶するため、現在のユニットで最後に用いられた接頭語が始めに選択されます。

識別子の長さ

自動的に作成される識別子の最大長です。

リソース文字列セクション

このコンボボックスは、スコープ内の全てのユニットで使用できる全てのリソース文字列セクションを含んでいます。 つまり、現在のユニットの全てのセクションに、用いられているユニットの宣言部にある全てのセクションを加えたものということです。

同じ値の文字列

このコンボボックスは、新しいリソース文字列と同じ値を持つ全てのリソース文字列識別子を表示します。それらの一つを用いたい場合に、ここで選択できます。

リソース文字列セクションへの追加位置

作成した新しい識別子を、リソース文字列セクションのどこに挿入するかを設定します。

  • セクションに追加 - 新しい識別子をセクションの末尾に追加します。
  • アルファベット順に挿入 - 新しい識別子をアルファベット順となるように挿入します。
  • 状況感知的に挿入 - 現在のコード位置の前後でリソース文字列識別子を探します。見つけたら新しい識別子はそこに挿入され、見つからなければセクションの末尾に追加されます。

ソースプレビュー

破線の上側に、変換後に文字列定数がどう置き換わるかを示します。 破線の下側に、リソース文字列を示します。

ソース内の文字列定数

現在の(変換前の)ソースコードを示します。